RESTで遅くなる理由はどこにあるのか|C#フレームワークでgRPCを選ぶべき現場条件と設計判断

1. C#フレームワークで通信が遅くなる「実際の原因」
ASP.NET Core自体は高速です。
それでも遅くなる理由は、フレームワークではなく通信モデルにあります。
現場で起きているのは、次のような構造です。
・小さなJSONレスポンスを大量に往復
・API境界が画面都合で細切れ
・データ構造が暗黙的で変化に弱い
つまり問題は「1回の通信速度」ではなく、通信回数と無駄な情報量です。
ここを変えない限り、C#フレームワークをいくら最適化しても効果は限定的です。
2. gRPCは何を省いて、何を固定したのか
gRPCは魔法の高速技術ではありません。
あえて「自由度」を削っています。
この制約によって、API設計を雑にできなくなります。
結果として、通信が速くなるだけでなく、設計のブレが減ります。
3. RESTからgRPCに替えると設計で何が変わるか
RESTでは「とりあえずエンドポイントを生やす」設計が可能でした。
gRPCではそれができません。
・メソッド単位で責務を定義する必要がある
・データ構造を最初に確定させる必要がある
・後方互換性を意識しないと破壊的変更になる
これは不便に見えますが、裏を返せば、設計を先送りにできない仕組みだということです。
4. gRPCを入れて失敗する典型パターン
現場でよくある失敗は、次の2つです。
RESTの置き換えとして使う
・画面用APIをそのままgRPC化しても効果は出ません。
・通信が速くなっても、構造が悪ければ意味がありません。
小規模サービスに最初から入れる
・gRPCは設計コストが高い。
・規模が小さいうちはRESTの方が運用コストは低くなります。
5. C#フレームワークでの現実的な使い分け
現実解は、全部gRPCにしないことです。
・外部公開API:REST
・フロントエンド連携:REST
・内部サービス間通信:gRPC
ASP.NET Coreはこの混在構成を前提に作られています。
ここにC#フレームワークとしての強みがあります。
6. gRPCは誰のための選択肢なのか
gRPCは、スキルの低い現場を救う技術ではありません。設計をちゃんと考えるチームをさらに強くする技術です。
・サービス分割を本気で考えている
・内部通信がボトルネックになっている
・API破壊を減らしたい
この条件が揃って初めて、gRPCは意味を持ちます。
C#フレームワークにおけるgRPCは、単なる高速通信手段ではなく、設計を強制するための選択肢です。RESTで詰まる原因の多くは通信速度ではなく、API設計の甘さにあります。gRPCはその甘さを許さない構造を持っているからこそ、特定の条件下で強力に機能します。導入すべきかどうかは流行ではなく、設計上の課題から逆算して判断するべきです。
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